裏ヤン先生に愛されます


急いで委員会場所に戻ると、

「あ、あいちゃん!寝てるかと思ったやん!」

「ご、ごめーん。あそこに入ったらつい…」

「ほら、委員会。集合せな」

「そだね」

はさみで折り紙を切って、飾り物を作る。

秋にやる体育祭、文化祭で使うものだ。

センセーは案外器用だった。するすると切って、簡単に作っていく。

(折り紙ってどんな形を切って良いなんて。ハードル高すぎる…)

出来たものは、不気味な形のものばかり。

無論、奏平はあたしの不器用がどんなものか知っている。

なのに爆笑された。

「あいちゃん、それはある意味凄いで」

「馬鹿にしてるでしょ…」

奏平の笑顔を見ていると、苦しくなる。

あたしはまだ、躊躇している。本当にセンセーと禁断の恋愛をしていいのか。

(間違った答えだとしたら?センセーとは付き合っちゃいけないのだとすれば?

あたしは簡単に諦めれるの…?)

考え事は、次第に大きくなっていくだけだった。

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