あなたに送ったものでした
私は急いで電話に出た。

「もしもし!」

“はじめまして、夜です。到着遅くなってごめんね。今秋葉原着いたよ”

「いやいや、大丈夫ですよ。気にしないでください」

“じゃ改札の前で待ち合わせしようか”

「わかりました!今行きます」

“ところで今日はどんな服装?”

そうだった!
私は夜さんの顔を知ってるけど、向こうは何も私のこと知らないんだ...

「白いコートに茶色いブーツの2人組です」

こんな説明じゃわからないか。

“わかった、待ってるね”


私と姉は少し迷いながら、なんとか改札まで辿り着いた。

急にヒヤッとした風を感じた。
12月の冷たい空気が鼻をくすぐる。

やっぱり東京も冬は寒いんだ。

指定された改札を見渡すと、1人の男の人がこっちに向かって手を振っている。

遠くてよく見えないけど間違いない、ホームページで見た通りの夜さんだ。

夜さんは少し自信なさげだったが、私も手を振り返すと途端に笑顔になった。

お互いにゆっくり近付く。

すごく緊張する瞬間だ。

そして勇気を出して、声をかけた。

「こんにちは、夜さん」
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