僕のイケナイ先生(→『信じられない彼女ー僕のイケナイ先生』から改題)
「It is hard to use a
mobile phone,,, 」小声で、
小野が教えてくれるんで、僕は
そのまま繰り返すと。

「イット イーズ ハード 
トゥー…何だっけ?」

「to use a mobile phoneだよ」

「トゥー ユーズ ア モバイ
ル フォーン」何とか、言えた
。ホッ。

「for me が抜けています。It
is hard for me to use..
..」と、レオナ先生が続けた。

僕の頭の上を、英語が素通り…


だけど、小野、サンキュー。

「新しい先生に見とれてるんじ
ゃない」と隣りの小野が冗談め
かして、よく言うよ。

「そんなんじゃないって、馬鹿」
と僕が言う間もなく。

「はい。そこ静かにして」と、
レオナに言われちゃうし。

初日からこうだもんなっ。

女なら誰でもいいって訳じゃな
いんだぜ。

「堅物。容子と大違い」
と、僕はぶつぶつ…。

おまけに単語テストの答え合わ
せまであって。

僕は、見事に30点以下だから
、居残りだよ。あ~あ。

容子にはイジメてるって言って
、この先生にも、教えてもらっ
ちゃおうかしら、僕。

戦略どころじゃないもんね。

そんなこんなで、この後は好き
な物理が2限にあって、3限は
数学で、4限は、まっいいか。

昼には、肝心の…物置デート。

4限まで、僕は、容子先生を、
どう問い詰めようかなって、考
えていた。

もっとも。

その場になると、思ってた事な
んてぱーっと忘れちゃうけどね


リーンゴーン
リーンゴーン

おっ4限が終了する鐘が鳴った


昼食の弁当を即座に開ける奴、
売店に走っていく奴、クラスメ
ートを横目に、僕は、さっさと
教室を後にしようとすると。

「おい、健。飯は?」滝が、弁
当袋をぶら下げて、肩越しに声
を掛けてきた。

「あっ僕、今日は売店。先に食
べてて。じゃあな」と、片手を
上げて。

目的の物置を目指して、校舎の
階段を猛スピードで駆け下りて
いった。

予定より、5分程早めに着くけ
ど、いいさっ。






















< 28 / 54 >

この作品をシェア

pagetop