僕のイケナイ先生(→『信じられない彼女ー僕のイケナイ先生』から改題)
一夜明けたあくる日、金曜日に
なってー

僕は、あんまりよく眠れない夜
を過ごして、寝ぼけ眼で朝、学
校に行った。

リーンゴーン
リーンゴーン

立星独特らしい鐘の音が校内に
響き渡り、学年主任の先生が教
室の扉をばたっと開けた。

後ろから、背の高い女先生が
連れ立って入ってきたよ。

あれが、緒田っちの代行の先生
かな。

案の状、黒板に松玲緒奈と書い
て、僕たちの方に向き直った。

教卓の前で、軽くぺこっと頭を
下げると。

「時期外れですが、主任の代行
で来ました。英語を担当します
。ファーストネームで、玲緒奈
と呼んでください。

では、出席を取ります」

レオナだって。

欧米かっ?

早速、みんなの点呼を始めたけ
ど。僕達の下の名前、ファース
トネームの読み方の確認もして
るじゃん。

黒縁の眼鏡が、マジめそうだけ
ど。肩までのストレートの髪に
、白いブラウスとグレーのパン
ツルック。

地味やん。女ジミーだな。

容子先生より、年も、もぅちょ
っと上っぽい。

にしても。

何か~あの眼鏡、つけいる隙、
なさそうじゃん。

授業は、返却されてる期末テス
トの答え合わせの続きだけど。

終わってなかったとこ、さら~
とやって。

みんな最初の授業だから、大人
しく、聞いていて。

誰も新しい女先生の様子をさぐ
るんで、騒ぐ奴がいない。

Sかな、Mかな。

どっちだろうな?

この女先生をイジメるなんて、
僕に出来る?

緒田っちの代行って、言って
るし。

どうしろっていうんだろ。

英語、苦手だしね。

イジメて、僕の成績が下がった
ら、容子先生、責任取ってくれ
んのかよぅ!!

「大矢君、ですね。次の問題を
答えなさい」

あっ、やば。

もう眼をつけられた、かな?

「おぃ、何処?」

隣りの席の小野に小声で、訊く
と。

「【8】の問1。携帯電話を使
うのは、僕には難しいの英訳で
す」

だって。玲緒奈先生に言われち
ゃったじゃんよー。泣。

顔ばっかり見てせい?

マズい。

「えーっと…」


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