不器用な彼の愛し方《番外編完結》
ポツリと呟いた私の声が斗真に届くはずもなく、空気に混じり消えていった。
斗真、私に気づいてないみたいだし
靴とって違う昇降口から帰ろう。
....でも、お礼くらい言った方がいい?
斗真が居なければ、私は道路に倒れたままだったのだし。
でも、会いたくない。
斗真に会うと、甘えそうになる。
自分が弱くなる。
....って、何斗真のせいにしてるの。
私がただ単に弱いだけなのに。
...お礼はまた今度、日を改めて言おう。
自分の中で結論を出し、そっと自分の靴箱まで行き靴を取る。
斗真は私に気づいていないようだ。
よし、行こう。
表口から出れば斗真にはバレない。