不器用な彼の愛し方《番外編完結》
「おばあちゃん、ちょっと外出てくるね」
おばあちゃんの返事も聞かず震えだした身体を隠すために、早足で玄関に行く。
急いで靴を履いて外に出る。
さっきまで晴れてたのに。
どんよりとした空気と黒い雲。
鳥の声も虫の声も何も聞こえない。
ただひたすらに強い風が吹いている。
おばあちゃんに事を話し終えてすっきりしたのに、お母さんとお姉ちゃんと会う事を考えただけで、こんなにも苦しくなるなんて。
情けない、
「…斗真」
ここにはいない好きな人の名前を呟く。
会いたい。今、斗真に会いたい。
斗真の顔が見たい、声が聞きたい。
そういえば苦しくなったとき、最初に思い浮かぶのはいつも斗真だった。
そして、いつも斗真は私を支えてくれた。
何があってもそばにいてくれた。