不器用な彼の愛し方《番外編完結》
ーーーーーーーーーーーーーーーー


それから数分の間、悠は何も話さずただただ私を抱きしめていた。


後ろから私を包み込むようにぎゅっと。


それにしても
...悠に殴られたお腹が痛い。

....心もイタイ。


「.....悠。教室戻ろ?昼休み終わっちゃうから。ね?」


悠に宥めるように言えば


「そう、だな」

途切れの悪い返事が返ってきた。


悠の腕の中から抜けて、悠を横目で見ると、何か思い詰めたような顔をしていた。


何を思っているのかわからない。

普通の彼氏と彼女ならお互いの事をわかりあっているはず。

わからなくても、理解し合おうと話し合ったりするはず。


でも、私は悠のことわかろうとはしない。

肩書きは悠の彼女だけど、私は悠のこと好きじゃないから.....。
< 73 / 400 >

この作品をシェア

pagetop