新撰組異聞―鼻血ラプソディ
……動悸がする。

心臓がすごい勢いで動いてる気がする。
ドキが胸々……胸がドキドキする。



女性の手を払おうとするが力が入らない。

腰が砕けて、腰も足にも力が入らない。


女性を押し退けることができない。



「やめて……」


叫ぶが声が出ない。

どっと冷や汗が滲む。


背中が冷たい。


全身から血の気が、引いていく。


体が強張り、全身が痺れ、悪寒がする。


全身の震えが止まらない。


「ん!?……君、顔色が悪いよ。熱でもあるの?」



女性が額に手を当てる。



あ…… …… ……。
き、気持ち悪い。
胸がムカムカする。


女性の顔が、グニャリ歪んで見える。


……あっ……この生温い感覚、あかん、またあかん、あか……。


ありったけの力を振り絞り、やっとの思いで女性を押し退ける。



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