新撰組異聞―鼻血ラプソディ
「文久3年、今日は、9月15日だけど」



文久3年……西暦なら何年?

さっぱりわからん


思い出すんや……歴史小説を……。

ここ最近、読んだんは……司馬遼太郎……。

えっと……あっ!
図書館で借りた本や。
鞄の中……「燃えよ剣」入ってるはず……。


文久3年9月……、何かあった……芹澤なんやったっけ!?



「今、何て!?」


怒鳴るような声がする。



「今、芹澤って言わなかった?」



どうやら俺の思考は、口からみんな出てしもてたようだ。


「翡翠……君は何を知ってるの?」



「――何にも知りません。
俺は、学校の裏門で倒れて……今、気づいた……。

それだけやし、ただわかったんは信じたないけど……。
此処が俺の住んでた神戸でも、俺の生きてた時代でもないってこと……」


「!!……」


空気が凍る。
殺気にも似た冷たい空気に、頭が痛い。



「俺の荷物、調べてもーたらわかると思うけど、俺は……この時代の人間やない」

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