新撰組異聞―鼻血ラプソディ
俺にだってプライドがある。


インターハイ成績上位の常連高校。
日本全国に、名を轟かす至誠館高校剣道部。

今秋からやけど、主将の名は伊達じゃないはずだ。


女に負けたーないという意地もある。



「翡翠、総を女と思うな。試合中は女も男もない」



「土方さん、翡翠くんは今日、大量の鼻血出してます。

これ、ここ見てくださいよ」



沖田さんのパフォーマンスが始まったようだ。


「着物の袖も袴も、翡翠くんの血糊でベタベタですよ。
たぶん……風呂桶1杯分くらい鼻血出してますから。

今日はゆっくり休ませて、試合は明日にして」



喚き散らす沖田さんの声がうざい。



「沖田さん、気遣いは要らん。土方さん、俺は大丈夫やから」



俺はキッパリと、言い放つ。



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