サッカー王子と同居中!
「……俺より先に声掛けんなよ」
「わりーな、圭馬より先に声かけないようにしてたんだけど、芽衣ちゃんが可愛すぎてつい」
「嘘つけ。絶対先に声かけようと企んでたくせに」
一ノ瀬先輩はそう言いながら横目で睨み付けている。
七瀬先輩は「あっ!ばれた?」となんだか楽しそうな表情だ。
「あーー!相ケ瀬くん相ケ瀬くん!あの可愛い人、一ノ瀬先輩の彼女さんだよ!
ずっと会ってみたかったー!」
あたしは相ケ瀬くんのジャージの袖をグイグイ引っ張って伝える。
「そんなに嬉しいの?噂で聞いてたけど、本当に違う高校のマネージャーだったんだ」
「だって七瀬先輩が一ノ瀬先輩の溺愛してる人って聞いたから気になるでしょ?」
周りではあたしの大きな声を聞き付けて、「まじまじ?」「あれが部長の彼女さん?」と怒られるから騒ぎはしないけど興奮している。