1%のキセキ
彼に素直に打ち明けていても、きっと受け止めてくれたはずだ。
それでもひた隠しにしたのはやっぱり気を遣わせたくなかったから。
気楽なもんだと思って、
彼の言葉を思い出して、ふつふつと心の中に閉まっておこうとしていた本音が暴れ出そうとする。
私だって、私だって……っ。
ぶちまけてしまえばいいじゃないか、彼はきっと受け止めてくれる。
私とそうちゃんの仲だ、何も遠慮することない。
食後ソファに座るそうちゃんにつかつかと歩み寄る。
そして、何か吹っ切れたかのように、ソファの上のクッションを、お構いなく彼へ投げつけた。
「……そうちゃんのばかっ」
言いたいことはたくさんあるのに、出た言葉はただの悪口。
今まで付き合ってきた彼氏に、こんな直接的な喧嘩をふっかけたことなんてない。
きっとこんな風に、好き勝手感情をぶちまけられるのはこの世でそうちゃんだけだろう。
「私だって……!」
そう切り出した私を怪訝そうに見つめるそうちゃん。
「全然、怖くなかった訳じゃないもんっ」
泣き声混じりに、切々と訴える。
全部私のことは分かったつもりでいたのか、目に見えて驚いた様子のそうちゃん。
「でも、私が暗い顔をしても周りに気を遣わせるだけでしょう……っ?」
私だって色々自分で調べなかった訳じゃない、でも調べれば調べる程不安も募った。
それが人に伝わらないように、気を遣わせないようにって思っていただけなのに。
私だっていつまでも子どもじゃない。これでも、少しは周囲の人に気遣える位は大人になったつもりだ。
何も知らずに無邪気に笑っていたあの頃とは違う。
心の中で何か秘めたものを抱えながも、いつしか自然に笑えるようにもなった。
「それが、そうちゃんには緊張感がないように思われていたのかもしれないけど」
「本当は、いつも怖かったんだから」
「ただ、呑気にへらへら笑ってた訳じゃないんだから」
子どもみたいに泣きながら言うと、さっきとは打って変わった優しい声が返ってきた。