*続*先生、甘い診察してください
「夏依ちゃん、今日は本当によくがんばれてるよ?だから今日は終わりにしようか」
「えっ……」
終わりって言ったら、喜ぶかなって思った…。
けど予想に反して、夏依ちゃんはやや残念そうな反応。
「がんばり過ぎても、しんどいだけだよ?」
「っ…しんどくは、ないです!ここに通うの…嫌じゃないですし」
その言葉は、素直に嬉しかった。
「ありがとう。僕もね、夏依ちゃんがここによく来てくれて、すっごい嬉しいんだ」
歯科恐怖症の子が歯医者さんに行く事を苦痛に感じないなんて。
すごい進歩!
「…先生……」
ふいに、夏依ちゃんの手が遠慮がちに僕の手に触れた。