*続*先生、甘い診察してください
少しだけど進行してる。
もっと早く治療してあげるべきだった……。
「はぁ……」
自分のダメダメっぷりにため息が漏れた。
「……大橋先生?」
「あ……」
ハッと、気がつくと夏依ちゃんは起き上がって心配そうな顔をしてた。
マズイ!!
患者さんの前でこんな顔しちゃダメじゃん!!
「大丈夫ですか……?」
「うん。ごめんね~。考え事してたぁ」
「あの……私の前歯、どうなっちゃうんですか……?」
不安そうな、縋るように夏依ちゃんは白衣の袖を掴んできた。
「裏側から虫歯を取って、白いレジンを詰める事になるよ。すっごく綺麗に治るからね」
一応、間違った事は言ってない。
少々厳しい状態だが、当然神経は残す方向で進める。