*続*先生、甘い診察してください




少しだけど進行してる。


もっと早く治療してあげるべきだった……。





「はぁ……」


自分のダメダメっぷりにため息が漏れた。






「……大橋先生?」

「あ……」



ハッと、気がつくと夏依ちゃんは起き上がって心配そうな顔をしてた。


マズイ!!

患者さんの前でこんな顔しちゃダメじゃん!!





「大丈夫ですか……?」

「うん。ごめんね~。考え事してたぁ」

「あの……私の前歯、どうなっちゃうんですか……?」



不安そうな、縋るように夏依ちゃんは白衣の袖を掴んできた。





「裏側から虫歯を取って、白いレジンを詰める事になるよ。すっごく綺麗に治るからね」


一応、間違った事は言ってない。



少々厳しい状態だが、当然神経は残す方向で進める。







< 344 / 463 >

この作品をシェア

pagetop