追いかけても追いかけても

どんよりした気分で学校に行くと慌てた様子で由紀が走り寄ってくる。

「ちょっ!あゆ!どういうこと!?」

「え?なにが?」

由紀がなにについてあんなに驚いているのかわからない。
こっちの方が驚いてしまう。


「知らないの?」

「ん?うん。」

由紀は困ったような、悲しんでいるようなそんな表情をして私を見る。

「なに?」

気になって聞いてみたらゆっくりと話し始めた。

「あの、さ。奏多がね、その…八代さんと一緒に登校してきたんだよね。」

チラッと私を見て表情を確かめている。

奏多が八代さんと?
じゃあ昨日は八代さんと一緒にいたの?
それともたまたま?
どういうこと?

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