追いかけても追いかけても
その後を追ってサークルの教室まで行くと由紀はいなかった。
代わりに直樹が1人でケータイをいじりながら座っていた。
他のメンバーも各々何かしてるが直樹だけは1人でいた。
「お、おかえり。由紀ならあゆのとこ行ったよ」
「え。まじか」
俺より先に由紀が行ってしまった。
しょげてると直樹が背中を思いっきり叩いてきた。
「いて!なんだよ!」
「ん?お前はバカだなと」
早く行けと促してくれたから俺はヒリヒリ痛む背中を気にしながらあゆの家に向かった。