恋愛事案は内密に
「許さない」

体の奥底から重く低い声だった。

いつも以上に冷たいまなざしが注がれ、苦しい。

まともに見られず、顔をそむけた。

「我慢してたのに」

所長の顔が近づく。

そして、くちびるを強くおしつけられた。

ほどよく肉厚なくちびるが、自分のくちびるにぶつかるたびに、くちびるも体の芯も熱を帯びていく。

「や、やめてっ」

逃れようとするが、それでもくちびるを押しつける行為はやめない。

どれぐらいの時間が経ったのか、わからなかった。

「……むつみさんがいけないんだ」

「所長……」

「むつみさんが僕のことからかっていたなんてね」

「からかってなんか」

「そう思ってないなんて、ずるいですね」

そういうと所長は腕の力を抜いた。

つながれていた手首がじんじんとしびれている。
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