素直になります
『孝?』


そう聞きながらゆっくりと俺に近づいてくる優衣


そして俺の前に立って


『どうしたの?どうしてここにいるの?』


少し焦っているように聞いてくる


「なんだよ…あの手紙……」

『え?』

「俺の事が好きってどういうことだよ?そいつと付き合ってるんじゃないのかよ?」


俺は優衣の後ろに黙って立っている男を見て言った


すると……


『雄士<ゆうじ>さん…ごめんなさい。やっぱりあたし……日本に残ります。』

「……どうしてだい?」


男は少し目を伏せながら聞く


『やっぱり…彼ともう一度ちゃんと話そうと思ったんです。もう逃げたくないんです。だから……ごめんなさい。』


そう言うと優衣は男に向かって頭を下げた


男はそんな優衣の様子を見て少し残念そうに微笑むと


「そっか……わかったよ。じゃあ、俺は行くね。」

『はい。気を付けて下さいね』

「ありがとう。また連絡するよ」


そう言うと男は搭乗口に向かって歩いていった
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