brother teacher


「あ、進路希望調査配るから放課後に提出してきてねー!はい、ホームルーム終わります」


「起立!礼!」




…進路、かぁ


そんなこと微塵も考えてなかったなぁ




進路希望調査と書かれたプリントを眺めながら溜息をつく。




「どしたの?恋煩い??」


「もー咲羽!違うって、進路よ進路!」


「ちぇっ、ざーんねん」



勘鋭いなぁこの子!



…っていやいや、そういうんじゃないってば


ただ、惹きつけれるなにかがあって…




違う違うちがーう!!





「で、進路はどうするんだ二人とも」


「うーん、七世ちんは?」


「ちんて…そうだなぁ、バスケは続けたいからどこか活発なバスケ部のある大学探してるよ」



気持ちを、紛らわすために会話に混ざる。



「バスケかぁ…ってことは咲羽は空手?」


「咲羽は空手に進みたくはないかなぁ」


「え、主将なのに!?」



てっきり『空手で世界一目指す!』みたいなこと言うと思ってたのに、びっくり!



「咲羽はねぇ、就職しようと思ってるの」


「しゅ、就職!?」


「咲羽が!?働けるのか!?」


「ちょーっと!!二人とも馬鹿にしてない!?」



さらにびっくり仰天!


咲羽が就職なんて…



「ほら、うちの家母子家庭じゃん?だから、就職して自立しないとさ、大変だから」



なぜか切なさの含んだ笑みをする咲羽。


ほんとは咲羽、空手やっていきたいんじゃ…



「空手は…うんっ、飽きたの!」


「飽きたってそれ…」


「それより、穂香ちんはどうするの?」


「わ、私は…」




言葉がなにも出てこない。


自分が何したいかとか、将来の夢とかはっきりしてないからなぁ。

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