湖都子のポエム2

やっと…つかまえた


やっと見つけた
もう離さないよ

彼女の手を掴む
彼女の手を手のひらで包み込む

彼女の体温を感じ
なぜか少しドキリとする

彼女は恥ずかしげに頬を染める

キミの中の俺は…もう過去になった?
何も伝えないまま…
もう迷惑に思われてもいい
でも…
このまま伝えずに後悔するなんてヤダ
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きっと、どこかのホテルにいると思い、ホテルに連絡しまくった。やっと見つけた…
出かけていたので、帰ってくるのを待った。
夕方帰ってきた愛里

愛里の手を掴む。
「愛里、探したよ。勝手に出て行くなよ」
「でも…もう一緒にいられないよ」
「あれは親が勝手に決めた婚約者だ。」
「でも…」
「婚約は解消してきたし、会社もやめて、家も出てきた。俺にはもう何もない。それでも、一緒にいてくれる?」
「私で…いいの?」
「愛里が必要なんだ。他には何もいらない。愛里の本当の気持ち、ちゃんと教えて」
「こんな私でも、一緒にいていいですか?」
「これからもずーっと一緒にいよう」
まっすぐに見つめられて、鼓動がどんどん速くなる。俺は愛里の瞳を見つめ返しながら思う
もう二度と離さない。愛里の腰を強く引き寄せて、愛里の身体を抱きしめる。リアルに感じてしまう。愛里の身体の感触、ふわりとくすぐってくるシャンプーの香り。あぁ…これは現実なんだ

身体の奥深くから湧き上がってくる愛おしさ
愛里がいてくれる…腕にほんのりと残る匂いと体温…幸せを生まれて初めて知ったんだ

小さなアパートで、2人だけの生活が始まる




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