思いよ、とどけ
「うん、あ、今日には覚めるかもだから、もう行っといたら?


 あ、俺もいくから、辛くなったらトイレに行けよ?」


「うん」


棚から服を出して、着替えた。


手の点滴も外して、和美の部屋に行った。


そばに座ると、和美の冷たい手を握った。


「和美…ごめんな…」


本当の自分を隠して、


火事に巻き込み、


そして、君よりも先に死ぬ


僕は最低な男。
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