姫は冷血王子の所有物


「何してる?早く仕事に戻れ。」









「あ、はい…。」










(やっぱり気のせいだ。いつもの怖い部長だったもの。)











「姫歌ー。今日の夜、時間ある?」










デスクに戻ると、すぐに夏実が話しかけてきた。











「ないけど…。何?」










こういう時の夏実は嫌なことしか言わないのが特徴だ。











「いやね、そんな顔しないでよ。」











反射的に嫌な顔になってしまっていたらしい。









「仕方ないじゃない。夏実は私の嫌がることを言う天才なんだもの。」










「あ、そういうこというー⁉︎」


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