姫は冷血王子の所有物




(夏実〜っ‼︎)







心の中で必死に叫ぶけれど、気づかれるはずもない。







がくりと肩を落とす。







「ねぇ、いいだろ?」









全く諦める様子のない、この人。










(ところで名前なんだっけ?)









そんな名前もわからない状態で、飲めるわけがない。











しかも、肩に手まで乗せてきて、これはそろそろまずいと思い始めた時だった。









「高坂?」








目の前に、見知った顔が現れた。

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