姫は冷血王子の所有物
結局、この日は歌って飲んで食べてと、飲み会みたいなノリで過ごした。
(よかった…。あの後何もなくて…。)
しつこかったあの男の人も最初だけで、その後は何の音沙汰もなかった。
「じゃ、この辺でお開きにしようか?」
「そうだね。」
夏実の一声で、お開きになる。
すると、あのしつこかった男の人が、またすり寄ってきた。
「ね、どう?姫歌ちゃん。これから2人で飲み直しに行かない?」
「え…。いや、あの…。」
(…本当にしつこいな。どうしよう?)
困り果てて夏実の方を見るけど、夏実はもう駅に向かって歩き出してしまっていた。