食卓
塩むすび
オフィスで塩むすびを片手に

パソコンと向き合っていると、

隣の三浦さんの席に

ナナが座った。


「お昼、どう?」


「ごめん。

会議用の書類、

今日までに作んないと」


私は塩むすびをかじった。


「そっか」


ナナはそう言ってから、

私の手元を凝視した。

「塩むすび?」

「うん」

「…買ったの?」

私がうなずくと、

ナナは背もたれに体重を預けた。

「もったいな」


私は塩むすびをかじった。
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