食卓
「君の名前は

ショコラちゃんか」



ショコラちゃんが

私の足に寄ってくる。


「…飼い主さんは

どうしたんだろ」


私は足元のショコラちゃんを

わさわさと撫でながら

周囲を見渡した。



老婆と元気な男の子、

そして私の三人だけが

この土曜日の公園に

居場所を作っていた。


老婆は鳩に豆を投げ、

男の子はプラスチックの剣で

見えない誰かと闘っていた。


どちらも、

飼い主には見えない。



「…はぁ」


私はヨーグルトを食べ終え、

ショコラちゃんを抱き上げた。


「うぅ、重い…」
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