食卓
「お邪魔します…」

「…ん」


少し不機嫌な目が私を見上げる。


「…はい、あんぱん」


お姉ちゃんは

あんぱんを受け取り、

口を開く。


「…今朝なんで来なかったの」


イラっ。


「ママが作んなかった」


お姉ちゃんが

はぁ?と怪訝な顔を向ける。


「なに、あんた

私のごはん

ママに作らせてんの?」


…まずい。

お姉ちゃんは

ママが今も四人分の

料理を準備することを、

つまりは

ママが壊れたことを知らない。

私は慌てて口を開く。


「私のお弁当っていう

ことにしてるから…」
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