赤い扉(ホラー)
☆☆☆

地下室は相変わらず気味の悪い雰囲気をかもし出していて、サヤカは身震いをした。


片手に懐中電灯、もう片方にはあの教室の鍵を持っている。


ほぼ毎日あの教室へ入っているが、この気味悪さは一体なんだ。


サヤカは自分でよくここに入れていたな、と関心したりする。


普段は何も気づかないが、そっちのほうがずっとよかったかもしれない。


サヤカは鍵をあけ、そっとドアを開く。


いつもなら入ってすぐにつくセンサーライトだが、反応しない。


国方がこの部屋に入ったときのように、寒気を覚えた。


サヤカは仕方なく懐中電灯で照らしながら、手探りで電気をつける。


二・三度瞬きをして、電気がつく。


教室の中はいつもと変わらぬ静けさで、白い壁がやけにチカチカして見えた。
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