竜宮ランド(短編)
とその時、少し離れた場所で白髭のおじいさんがこちらを見つめていることに気付いた。
「あ! 竜宮仙人!」
海水を滅茶苦茶飲まされたことを思い出し、僕は「この野郎!」と叫びながら、おじいさんに飛びかかった。
「良雄! やめなさい!」
お母さんが叫んだ。
「だって、こいつ!」
お父さんは僕をおじいさんから力任せに引き剥がした。
「良雄! この人がお前を助けてくれたんだぞ!」
「え……!?」
「何か悪い夢でも見たんじゃろ。坊や、あまりお父さんとお母さんに心配かけちゃいかんぞ」
おじいさんはニコニコしながらそう呟くと、静かにその場を離れていった。
「さあ、今日はもう帰ろう」
お父さんの言葉に僕とお母さんは小さく頷いた。
あの竜宮ランドは一体何だったのだろう。
どんよりとした雲もいつの間にか消え、春の日差しが潮干狩りの客たちを照らしてつけている。
おじいさんの姿は、もうどこにも無かった。
<了>
「あ! 竜宮仙人!」
海水を滅茶苦茶飲まされたことを思い出し、僕は「この野郎!」と叫びながら、おじいさんに飛びかかった。
「良雄! やめなさい!」
お母さんが叫んだ。
「だって、こいつ!」
お父さんは僕をおじいさんから力任せに引き剥がした。
「良雄! この人がお前を助けてくれたんだぞ!」
「え……!?」
「何か悪い夢でも見たんじゃろ。坊や、あまりお父さんとお母さんに心配かけちゃいかんぞ」
おじいさんはニコニコしながらそう呟くと、静かにその場を離れていった。
「さあ、今日はもう帰ろう」
お父さんの言葉に僕とお母さんは小さく頷いた。
あの竜宮ランドは一体何だったのだろう。
どんよりとした雲もいつの間にか消え、春の日差しが潮干狩りの客たちを照らしてつけている。
おじいさんの姿は、もうどこにも無かった。
<了>
