竜宮ランド(短編)
もう、どうでもいいやと言う気持ちで、僕はクマデをグサリと砂地に突き刺すや、ザックザックと掘り返した。



「こらこら。そんな乱暴に掘っちゃいかん」



顎に白髭を生やしたおじいさんが僕を見おろしていた。



「あ、竜宮仙人!」



「ワシはまだ八十じゃぞ。仙人と呼ばれるほど、老いぼれちゃおらん」



おじいさんは『竜宮ランド』の案内人――竜宮仙人そっくりだった。
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