相合い傘
小柳さんは優しい顔立ちで、笑うと目元が垂れているのがとても印象的だった。
「井上 由里子です。よろしくお願いします!」
「この子たちが、今日から入る新しい子たちね。由里子ちゃん、果穂ちゃん、あまり緊張しないでいいからね。よろしく」
「「はい!」」
「そして、こちらが東さん。東さんには、由里子ちゃんの指導係を頼んだよ」
「はい。初めまして、東 真緒です。由里子ちゃんも果穂ちゃんもよろしく!」
「「よろしくお願いします」」
由里子の指導係の東さんの左薬指には、シルバーリングが優しく輝いていた。
えくぼが可愛らしい東さんは、明るく、気さくな方なんだと、すぐに思った。
「そして、僕が高橋 樹です。一応、僕がスタッフの中では1番年上です。2人ともよろしく」
「「よろしくお願いします」」
黒縁の眼鏡をかけた、長身の高橋さん。
初めて見たときは、その身長から威圧感があって少し緊張していたけど、笑顔や声が優しくて、安心した。