愛なんてない






昔はよくかくれんぼでここに隠れた懐かしさも思い出す。


お兄ちゃんが照明を入れてくれ、蛍光灯の切れかかった光がぼんやりと周りを照らす。


「で、話ってなんだい弥生?」


呼び出したもののなかなか切り出さないわたしに痺れを切らしたのか、お兄ちゃんから話しかけた。


しばらく昔の思い出に浸ってぼんやりしてたわたしは、ハッと我に返りお兄ちゃんを見た。


「あ……うん。あのね……相良さんのことなんだけど」


わたしは先んじてお兄ちゃんに説明して置こうと考えたんだ。


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