愛なんてない



京はわたしの体を勢いよく奥にある教卓に押し付る。


「……っ!」


さっきとは比較にならない衝撃を受け、声さえ出ない。


その間にネクタイを緩め外した京は、それで素早くわたしの両手首を縛り付けた。


あお向けに押さえつけられたまま、涙で滲んだ視界に京の顔が近づくと知る。


頬に吐息がかかるほど寄せられた唇からは、思ってもみない切なげな声が漏れた。


「弥生」




ドキン、と心臓が跳ねた。




「――嫌えよ、俺を」



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