愛なんてない



変わって京は強い口調でそう言い、わたしの首筋に顔を埋める。


チク、と痛みが走り、わたしは思わず声を漏らした。


「嫌えよ、嫌って嫌って嫌いぬけ……弥生。俺を……」


京はまるで呪縛を掛けるように囁く。だから、わたしも言い続けた。


「嫌い……嫌い! 京なんか大っ嫌い!!」


始まった優しい動きに、わたしは抵抗できずにただそう叫び続けた。


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