愛なんてない



京に言われて窓ガラスの白いカーテンが夜風にはためいてただけ、とやっと理解した。


「も……やだ~京の意地悪!!」


わたしがポカポカと頭を軽く殴ると、京は頭を抱えながら謝る。


「すまん! そんなに怖かったか」


「あたりまえでしょ! 京のバカ、バカ~っ!!」


「なら……守ってやるよ」


「え?」


京が出した言葉に耳を疑って、わたしはキョトンと彼を見上げた。


「夜、おまえ今つらい思いをしてるだろ? 咲子さんから教えてもらった。助けられなくて済まない……だが」


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