愛なんてない
わたしはどこか欠けた人間だから。
わたしは幸せになれる資格なんかない人間だから。
京も巻き込んじゃいけないのに。
それでも京に望んだのはわたしのエゴ。
最初からどこまでわたしは京にわがままなんだろう。
お兄ちゃんには言えない事も、京なら言えるんだ。
わたしは……。
学校を出て職員駐車場に停められた京の車に乗るとき、わたしはやっぱり後部座席に座った。
自分には京の隣に座る資格がないから。
「こっちに座ればいいだろ?」