愛なんてない
「スーパーに何の用なんだ?」
Mストアの屋上駐車場に車を停めた京は怪訝そうに言う。
「さあ?」
わたしはそう言って1階の食品フロアに向かう。
そして、カートにカゴを載せてから振り向いて京を見た。
「なにか食べたいものはあります? 夜食に作りますよ。カップめんだけじゃ足りないでしょう」
「まあ、そうだな……」
京はやたらゴシゴシとズボンで手をこする。
初めて見るけど変なクセだ。
「まあ……だったらシチューがいいかもな。それだったら胃にもたれない」