愛なんてない



心なんか求めてもムダなのに……。


「あはは……は……」


いつの間にか涙が出てた。


外からはパラパラと降る雨。


消えたい……。


もう、何もかも嫌だ。


疲れたよ、お母さん。お父さん。


いいよね?


わたし、いなくても世の中は変わらないもんね?


お父さん、お母さん。


会いたい。


会いたい。


会いたいよ。


わたしはふらりと立ち上がり、台所にある包丁を掴むと玄関を開けて外に出る。


そして、それで腕を傷つけた。




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