愛なんてない
「申し訳……ありません!!」
俺ははっきりと謝罪した。
これで許されるなど都合のいい甘さは持たない。
だが、少なくとも圭介を幾分か冷静にさせる効果はあったらしい。
肩で息をした圭介は、俺を鬼のような形相で睨みつけ吐き捨てた。
「貴様のような色情魔がいる学校に大切な妹を預けられるかッ!
このことは逐一学校と警察と教育委員会に訴えるからな! 覚悟しておけ!!」
圭介の怒りぶりから言えば当然の台詞だ。殺されないだけましか。
俺は自分を嘲笑った。
それが気に入らないか、圭介はまた逆上して俺を殴った。