愛なんてない



「あ……あの、これは。だいたいの家賃を知りたかっただけなんです。知り合いがこの春から1人暮らしをするもので」


よし、我ながらうまい言い訳だと思った。


そりゃあ、冷静に考えればすぐに判ることだ。


メモにはわたしが引っ越す為にだなんて一言も書いてないし、わたしがチラシを持ってたとしても、相良先生がどうこうは言えないはず。


「この辺って、家賃が案外高いんですね」


「そうだな」


相良先生はキツい顔を緩めてなぜかわたしの前にどっかりと座り込み、チラシの一部を指差す。


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