小説家
第二章 初めてのお使い
時は戻り、現在。

今私は学校にいる。

「え、澪がバイト?ありえん。」

昼休みいつもの4人で集まってランチタイムだ。

「うん、そう。っておいありえんとは何だ」

ありえん。そういったのはあたしの古くからの親友。幼馴染みの『柏木 里奈』。
頼れる姉貴のような存在。

「いやー確かにそれはありえん。」

この子は『園田 夏生』通称、なっちゃん。
高校1年の時に仲良くなった子だ。
バレー部のキャプテン。部活一筋の根が熱い子だ。

「おいおいおいさっきから失礼じゃないか君たち。」

「そうだよーいくら前のバイトを3日でやめたからってさー」

そしてこいつも1年の時に仲よく…というか引っ付いてきた天然毒舌女『吉田 愛珠』。
通称、まな。小説好きという点で仲良くなった。

「まな…それフォローになってない」

すがさずなっちゃんが突っ込む。

「なにさー皆して!前のバイトは…まあ色々あったんだよ…」

「色々って?」

うっ

「そこは突かないでやってくだせえ旦那…」

「だーれが旦那だ。里奈様よ里奈様。」

「様とかワロタ(笑)りなてぃワロス(笑)」

「あん?なにか文句でもお?なつみぃー」

自称里奈様が冗談でなっちゃんにガンを飛ばす。

「ドSー♪」

サラッと空気を壊すでない、まな…

「てか、どんなバイトなん?」

なっちゃんが首をかしげて聞いてきた。

「なんか…家政婦的な」

「うわ、めんどくさそう…」

すかさず女王様…いやりなが答える。

「まぁりなちゃんはめんどくさがり屋で部屋汚そうだもんねえー」

「なんですってこのド天然バカ娘」

「ちょーりなてぃ怖いってー(笑)まなてぃも煽るな煽るな(笑)」

そんないつものようなやり取りを見てなんだかホッとする。

今日も平和だあ。

私たちがいつもランチをしているこの場所は校舎の中庭にあるベンチ。

今は春。

中庭に咲いている綺麗な桜を見ながらランチ。

大好きな友達に囲まれて、

なんかこういう瞬間ってホント幸せ。

「まっ、せいぜい頑張んなさい、澪」

りなって口悪いけど誰よりも背中を押してくれんだよなあ。

「ありがとう!」

「しっかし週5だとなかなか遊べなくなるなあ…」

なっちゃんが寂しそうな顔で言う。

「そうだねえ…。あ、でも土日だったらなっちゃんが午前連の時とかなら遊べるじゃん?」

「お、それもそうか」

ホッとした顔をして先程購入したカレーパンを幸せそうにほおばっている。

「じゃあこれからもみんなで遊べるね!♪」

「そうね」

「だなー」

「だね」

キーンコーンカーンコーン

「あ、チャイム!」

「やばい!ゴクッ。ひほご!」

「ちょっとなつき、はしたないでしょ!」

「あー待ってよーみんなあー!」

「走れ!まなてぃ!」

「まながんばれー!(笑)」

「早くしないとおいてくわよマヌケまなみ!」

さて、今日もいっちょ 、

がんばりますかあー!
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