可愛げのないあたしと、キスフレンドなあいつ。


会話が途切れると。

言葉の代りみたいに、じっとお互い見つめ合う。




目で言葉以上のやりとりをしてるような奇妙な緊張感。




七瀬が言外に言おうとしていることを、すっとぼけてしまった方がいいような、そうすることを見抜かれてるような。

ここで擦り寄ってきた子犬の鼻っ面を引っ叩くように、二度と近寄りたくないって思わせるようなことを言って遠ざけてやった方がいいような、そうすることを七瀬から期待されてるような、考えすぎなような。



そんな攻防を視線と視線がぶつかった場所で繰り返す。

しばらく沈黙のまま見つめ合っても、決着はつかない。




七瀬が先に引いた。




「崎谷さんに何言っても『勝手にすれば?』って言われそうだから。だから先に言っておくね。これから俺の好きにさせてもらうから」




七瀬はあたしの前から立ち去る前に、そんな宣戦布告のようなことをあたしに告げた。






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