カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
高鳴る心臓の音がハッキリと耳に訊き取れる。

仕事の上では彼に嫉妬したりしたが、彼の有能さは昔から知っていた。何の取り柄もない私にとって逸希は私の自慢だった。

オフィスで私を気に掛けてくれる逸希。彼は上司としてではなく、恋人を心配するかのような親身な態度を常に取っていた。


私も逸希がスキだーーー・・・
貴方となら未来を見られるかな?

「俺はずっと、付き合うオンナにお前の面影を追って来た」


「猫の珠子にも私の面影を?」


「珠子は関係ない。俺は真剣に話をしている。茶化さないでくれ。莉那」


逸希の手が私の頬に掛かった。温かい逸希の手の温もり。



心臓は早鐘のようにドクドクと激しい音を打ち鳴らす。


「お前はどうなんだ?」


くぐもった逸希の声は真剣だ。


私も真摯に受け止めて返事をしないと、逸希に失礼だ。



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