カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
「風邪はもう治ったのか?」


「あ、はい。おかげさまで…遊佐課長には多大な迷惑を掛けて申し訳有りません」


上司の俺に対して礼儀を弁えない物腰が気になっていたが、莉那の教育のおかげだろうか…別人に思えるほど謙虚な態度が取れるようになっていた。


樋渡係長は優しげな視線を高木さんに向けた。


「高木さん、樋渡係長は次の商品企画に困っている。樋渡係長とサポート役を君に頼みたい。どうだ?やってくれるか?」


「遊、遊佐課長!!?突然何を言い出すのですか?」


「補佐役が欲しいと言っていただろ?」


「私は何も…」


俺は否定する樋渡係長を目配せで黙らせる。



「わ、私には樋渡係長の補佐役なんて出来ません」


「これは上司命令だよ。高木さん」


「で、でも…」


「…私からもお願いします。高木さん」


樋渡係長も拒む高木さんを説得した。



「樋渡係長…」









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