カモフラージュ～幼なじみ上司の不測の恋情～

《１９》 元上司の嫌がらせ

莉那side－

「植野チーフ訊いて下さい。樋渡係長と昨日デートしたんです」


高木さんに誘われて、ランチを共にした。樋渡係長は苦手なタイプだと言っていたが、高木さんにも係長の良さが判り、二人は交際を始めた。


「昨日、一緒に映画観たんです。それからカフェでお茶して・・・」


「よかったわね…」


高木さんと樋渡係長の交際はまだ周囲には秘密。

社内で知っているのは私と逸希だけ。


「今度、一緒にダブルデートしません？」


「え、あ…いいけど。今は逸希の家に挨拶に行くのが先決で」


「本当に遊佐課長と結婚するんですね…」


「そうね…」


「私も早く結婚したい。相手は勿論、樋渡係長です」


樋渡係長の補佐役となった高木さん。

係長自身が彼女の仕事のスキルを考えて無理に仕事は与えていない。そのコトにより高木さんのミスも減って、仕事に意欲を見せ始めていた。


樋渡係長の気遣いと愛情が高木さんを変えていた。