カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
ほんの僅かな時間のはずなのに、私の心臓は逸希の抱擁に翻弄されて、どうしようもなく高鳴っていた。



カラダの中の血液が勢いよく巡り、頬に集まる。


その熱にカラダが戸惑い、視界が歪む。


立ち上がろうとすると足許がフラつき、逸希の腕の中に再び舞い戻ってしまった。



「大丈夫か??顔赤いぞ」


「い、逸希がいけないのよ!急に私を抱き締めたりするから・・・」


「悪かった・・・」


私は逸希の胸板を押し返して、立ち上がる。



「これが資料です。遊佐課長」


「ありがとう…植野チーフ」


「今度、変なコトしたら…セクハラでコンプライアンス部に直訴しますから・・・」


私は逸希に鍵を渡して、先に出た。


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