君と2回目の恋を
溜まり場には既にだいぶ人数が集まっていた




乱暴にバイクをとめるて颯太たちのもとへ向かう



下の奴らの挨拶にそこそこ答える





「蓮こっちだ!!」


颯太が大声で俺を呼んで手をふっている




「蓮斗、大体の事情は聞いた」

声を掛けてきたのは、支部長の森翔輝(もりしょうき)



俺らとタメで金髪の強面の男




「どうすればいい」

あって早々口を開いた俺に翔輝は渋い顔をした



「言いにくいが、今日は引いた方がいい

…あぁそんな怖い顔すんなって
蠍(さそり)が動いてる。流石に今ぶつかるのはまずいだろ

警察もお前らの登場で警戒強めてるしな」



蠍は俺らの敵の暴走族

白夜の支部の隣に縄張りが広がっている



「蓮くん、翔ちゃんの言う通りだよ
いまぶつかったら勝てる保証はない」


特攻隊長の顔で陽翔が言った




確かに俺らは土地勘がない

翔輝たちの支部は、蠍の数には及ばない


形成は不利だ



くそっ、一刻も早くあいつを見つけたいのに





蠍、今度あったら絶対潰す





「おい聞け!!」






少しの沈黙の後に、俺は声を張り上げた



夢華を探したい

だけど、俺個人の事情で仲間を危険にさらすわけにはいかない



それは族を束ねるものならば当然だ




みんな俺の発言を聞こうと口をつぐむ




「蠍が動いてる


今は形成が不利な上に、体制が整ってねぇ



今日は解散だ!警察に捕まんなよ




捜索ご苦労だった。何か情報があったらすぐに幹部に伝えろ」



はい!という大合唱のあと、バイクのエンジン音があちこちで上がる



パラパラと帰っていく仲間を俺は無言で見送った





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