君と2回目の恋を
土砂降りの雨の中、なぜ優さんの言葉はとても鮮明に聞こえた





記憶がない

覚えてない



ふたつの言葉が頭の中を埋めつくす




やっと見つけたと思ったんだ

今度は絶対に手をはなさないと、誓った




なのに



こんなにも簡単に

大切なものは腕をすり抜けいく






見つけたら2度と離さないと誓ったのに





何も言えなかった

何を言えばいいのかわからなかった



「詳しいことは、今度話すわね

これ私の連絡先だから何かあったらいつでも言ってね


……ごめんなさいね
私がもっとしっかりしていれば」





黙って首を振った



何があったのかはわからない

けど、夢華も優さんも悪くないんだ



「そう、ですか

じゃあまた」


喉に絡まるものを必死で飲み込んで

やっとのおもいで、ただそれだけを告げた






ふらふらと夢華の家を後にした


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