君と2回目の恋を
全く記憶がないがいつの間にか、白夜の縄張りの中心部に帰ってきていた



「蓮斗!お前っ、何やってんだよベタベタじゃねぇか。」



「あ?……あぁ龍か」



俺を呼び止めたのは、
白夜の東支部総長、笠松龍(カサマツリュウ)

俺の幼なじみでもある


一応応答すると、龍は眉間に深いしわを刻んだ




「あぁじゃねぇよ。雨降ってんのによぉ
傘も刺さんと馬鹿か

……夢華の家行ってたんやろ?」


傘をさすとかささないとかどうでもいい



けど、龍はそんなやつだ

不器用だけど仲間を誰よりも信頼して心配する



仲間が傷つけば、自分が痛いような顔をする



そんなやつだ



「龍、お前も夢華探してただろ?

ったく総長の命令も聞かないで」



お前は優しいから

俺言うことなんてこれっぽっちも聞いてねぇ




「うっ、悪かったって

でもさ、お前が探すってわかってたからよ
それによ、夢華は俺らみんなの仲間だ」



「だな」






「龍、招集かけろ
土曜の夕方6時倉庫だ


…そこで夢華のことを話す」



はっと瞠目した龍は黙って首を縦に振った





慌ただしく携帯を取り出した龍は、ふとした様子で動きを止めた



「おい蓮斗
さっき佳奈がブチギレた感じで電話してきたぞ?

『蓮くんどこにいる?』てな

知らん言ったんだけどよ、なんかしたんか?」



「ブチギレてる?なんでだよ?
俺はなんもしてねぇぞ


夢華探しに行く前まで一緒にいた…………あ」



いろいろあってすっかり失念していた


佳奈は連絡係りとして学校に置いてきたんだった



それことを龍に告げると納得した様子で頷いた



「佳奈もなぁ夢華と仲良かったしな

本当は一緒に探したかったんじゃねえの?


さっさと謝っとけよ佳奈と響也に」




頷きかけて違和感を覚えた


なんで響也にも謝るんだ?

佳奈はともかく、響也には本当に何もしていないはず



「ブチギレた佳奈のお守りしてたのは誰だよ」

「あ、」



すまん。響也

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