これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
おにぎりでどっちにするか迷うならまだしも、おにぎりと猫缶を迷うなんてどいういうことだ?

時々こういうくだらないことが気になってしまう。

俺にとってはどっちだっていい。別に関係ないことなのに。

ずっと見つめていた彼女が、おにぎりを棚に戻すとくるっとこちらを振り向いた。

「あっ。すみません邪魔でしたよね」

コロコロと鈴のなるような声で俺に謝ったその彼女と目が合う。

その目は黒く潤んでいて、まるで吸い込まれそうになるほど魅力的だった。

見つめていたことがばれたのではないかと気まずく思った俺は「大丈夫ですよ」返事をするのに精一杯で、すぐに彼女がもどした鮭のおにぎりを持ってレジへと向かった。

< 2 / 228 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop